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小口川沿いに息づく2'6''軌道


世にも奇妙な機関車の系譜図

いままでに存在が確認されている、6台の機関車の氏素性に迫る―

update:2015.1.2
(ガソリン2号機の項にH.T氏撮影の写真を追加、他加筆修正)
 


ガソリン機関車 無番号
トヨタ スタウト改造
種車車台番号:RK101-27080
改造所:不明

(1975?〜1980年代後半)

小口川の軌道で、存在が確認されているうち最も古い機関車が、この橙色のエンジンである。
 トヨタ  スタウト(RK101)という小型トラックの改造により生まれたもので、パッと見ただけでもグリルやエンジンフードに種車のものが流用されているのが判る。また、後述のGL2号と異なり、右側面に手ブレーキレバーが備わるのが特徴。
 製造(改造)年(=1975)のソースは、匿名希望A氏が'75年9月の初めてこの軌道を訪問すべく現地へ向かったものの、水須の辺りで水口建設の関係者の車に遭遇、「もう今日は軌道は動かない」と言われその場で引き返すことにしたのだが、その際同時に「今年から機関車を入れた」とも聞かされたことによる。
 廃車年は不明だが、その台枠は後述のDL無番号(I)に流用されたとみられる。

▲種車であるトヨタ スタウトの実車例(1992.2 豊田市内の旧車店にて筆者撮影)<クリックすると拡大します>

▲1981.8.27   P:森川幸一


▲1976.9   P:匿名希望A氏
   


ガソリン機関車 2号
トヨタ スタウト改造
種車車台番号:RK101-62211
改造所:不明

(1977or78?〜1980年代後半)

『知られざるナローたち』に写真が掲載されたことにより、多くのファンにその特異な姿と“水口”の名を刻み付けた立役者といってもいいのがこの機関車で、上記のGL無番号同様、トヨタ スタウトの改造による。
 今までデビュー年ははっきりしなかったが、このたび、荷4041レ氏からご提供いただいた写真により、少なくとも1978年より存在したことが確認され、かつオリジナルの塗色と形態についても判明した。

 なお、当機の弊サイトでの呼び名は、『知られざるナローたち』に掲載の'80年8月撮影の写真で、ボンネット左側面に“2号電車”と殴り書かれたものがあることから、便宜上“ガソリン機関車2号”とさせていただく。


▲1978.8.31  P:荷4041レ この時点では種車流用のグリルを有し、塗装も薄緑一色である。


▲1980.5.6  P:H.T グリルが単なるアングル材利用のプロテクタとなり
側面に“2号電車 小口川行”と書かれた、『知られざるナローたち』の読者にとって馴染み深い姿。


▲1980.5.6  P:H.T 2号機の車台銘板


▲1981.8.27   P:森川幸一 塗装が一部だけ水色に塗り直された。


▲1981.8.27   P:森川幸一


 

ディーゼル機関車 2号
日産 ダットサントラック改造
種車車台番号:S720-501819
改造:富山市 F自動車商会

 (1980年代後半〜2003)

近年のこの軌道の歴史の中では、主力としてもっとも長く生き永らえた機関車。“2号”を名乗るものの、ディーゼル機としては最初の導入と思われる。
 改造ベースは720系ダットサントラックの丸4灯・SD22ディーゼルエンジン搭載モデルだが、台枠はスタウト改GL2号のものを流用したとみられる。
 当初は正面に種車のグリルがついていたが、オーバーヒート対策のためか'94年には冷却ファン1個を取付、さらに'95年もしくは'96年にグリル周りの外板を完全に取り払いファンが2個に増設された。最末期はボンネット側板さえ失われた悲惨な姿で稼動していたようだが、2003年夏に廃車となり、台枠・車輪流用で後述のDL無番号(II)に生まれ変わっている。

 


▲“DATSUN”のグリルが付いていた頃。左のライトが失われた以外はオリジナルといってよい姿。 1993.9.15


▲のちに冷却ファン増設のため、すさまじい形相となってしまう 1996.8.13


▲ボンネット側板すら失われ、断末魔の様相を呈していた現役末期の姿。2001.9.6  P:Sakamoto


ディーゼル機関車 
無番号(I)
日産 ダットサントラック改造
種車車台番号:SG720-656558
改造所:不明

(1980年代後半〜 )

厳密な登場年は不明だが、時系列的にはおそらく上記のDL2号機のあとと思われる。
 種車はDL2号と同じく720系ダットサントラックのSD22搭載形(マイナーチェンジ後の角4灯モデル)。これも台枠はスタウト改無番号GLからの流用とみられ、右側面に手ブレーキレバーがある点もご丁寧に?無番号GLと同様である。
 筆者が初めて訪問した1991年以降をみる限りでは、稼動率は低く、側線でシートを被っていたことの方が多い。
 改造は、後述の2軸鋼製台車(I)を手がけた佐藤工業(株)の関連会社の手によるものという説があるが、目下確認は取れていない。
 

★参考:本機の実測図面(筆者作図)

▲1991.9.6


▲1991.9.6


▲1994.9.15  冷却ファン増設後の姿


ディーゼル機関車 3号
種車:不明
車台番号:不明
改造所:不明

(1990)

1990年のワンシーズンのみ存在した機関車。
 近年で軌道による輸送が最も活発だった小口川第三発電所の発電機交換工事(1988〜1990)の時期にあわせて増備されたとみられる。

 形態は歴代エンジンと同様のL型であるが、全体的にホイールベースの寸法を含め他機より小ぶりな感じ。ボディ色は黄色で、進行右側側面に「3」と白でレタリングあり。ヘッドライトは正面グリル両脇に角型のものを2灯装備。キャブ屋根上には吊り下げ移動を考慮したとおぼしきフックとワイヤーが付いている。

 当時、林道小口川線と軌道起点手前の道路化区間との間に耐荷重1.5tの仮設索道が設えられていたといい、この機体の車体の小ささや屋根上のフックは、その索道で車輛本体ごと吊り上げて輸送できるよう考慮された故であるらしい。
 ただ、軽さが災いしたのか実際の使用時は非常に脱線しやすかったそうで、そのためワンシーズンのみの使用にとどまったようである。その後の処遇は不明。

*この項については、現車を実見している知人B氏の撮影された写真とお話をもとに構成した。ただし、B氏のご意向により画像は公開できないため、悪しからずご了承願いたい。
 


ディーゼル機関車
無番号(II)
三菱 パジェロ改造
種車車台番号:L049G-1001898
改造:富山市 F自動車商会

(2003〜 )

※詳細はこちらをご参照下さい。 

※現在はボンネット側面に『4』のプレートが貼られているため、“4号機”と呼ぶべきかも知れない。
 
 


▲製造中の姿 2003.8.12 


▲2003.9.12 軌道起点にて
 

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