−鉱山への路−
栗原電鉄
▲細倉 1986.7.24 SPF  135mm  KR


方私鉄に興味を持ち始めたばかりの頃、正直いって当時の“現役”の栗原電鉄に対する関心はあまり強くはなかった。むろんナロー好きゆえ、この鉄道がかつては2'6''の軽便だったという点には興味があったが、サブロク化後のこの鉄道が書物に現れる場合、イメージ的な写真はたいてい、だだっ広い田圃の中を、戦後生まれの小奇麗な単行電車がゆくという絵だったので、あまり私の琴線には触れなかったのだ。

しかし、RM誌の連載『ローカル私鉄独り歩き』で同社が紹介されたとき、2枚の俯瞰写真に思わず目を見張った。ひとつは美しいSカーブをゆくM15形、もうひとつは終点・細倉駅と背後に連なる鉱山街を捉えたショット。ひたすら田圃の中を走るだけと思い込んでいた路線に、こんな魅力的な情景があったとは―初めてこの鉄道を訪ねてみたい、と思った瞬間だった。
さらにその後、『レイル』No.15で、湯口徹さんの撮影によるナロー時代の写真を初めて見るに及び、軽便用をそのまま改軌して使っているというED20もぜひこの目で見てみたくなり、ようやく訪問に到るのである。

最初に訪れた夏―'86年の7月は、“元・軽便”のED20の牽く貨物列車を見ることができた。残念ながら半年後に、この鉄道の存在の要であった細倉鉱山の閉山で、本来の姿のED20は一期一会となってしまったが、実際に目の当たりにした細倉界隈の雰囲気にすっかり惚れ込み、その後も繰り返し足を運んだ。今にしてみると、閉山前後の'86年から'88年にかけて僅か2年ほどのことであり、ご紹介する写真もその時期のものが殆どであるが、ご笑覧いただければ幸いである。


▲M181  駒場―細倉 1988.2.25 F-1N 100mm  KR



▲細倉駅で小休止するED201の貨物列車 従えるはトラ45000+硫酸タキ2輛  1986.7.24 SPF  55mm  KR
    

 
Outline
栗原電鉄株式会社 <*1986年現在>
石越―細倉―(貨)細倉鉱山 26.2km
・軌間=1067mm
・動力=内燃/電気 直流750V
・開業初年=大正10/1921年

  *開業時は762mm・蒸気→昭和25/1950年 直流750V電化→昭和30/1955年 1067mm改軌
  *平成5/1993年12月 第三セクター経営化、平成7/1995年4月 社名『くりはら田園鉄道』に変更、同時に動力内燃化
  *平成19/2007年3月廃止 

・駅一覧(1986年現在)
石越(東北本線)荒町−若柳谷地畑−大岡沢辺津久毛−杉橋−鳥矢崎−栗駒
栗原田町−尾松−鶯沢−駒場−細倉- (貨)細倉鉱山

*太字=駅員配置/斜体字=交換設備有/橙文字=国鉄・他社線接続/黄文字=車庫所在地

・車輛
<昭和61/1986年7月現在> EC 8輛/EL 3輛/DL 2輛/FC 6輛

Contents <Now Under Construction!>


田園をゆく

細倉界隈

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車 輛

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